著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

新型コロナの“ワクチンデマ”は1000人の命を奪う?

公開日: 更新日:

 2019年12月に初めて報告された新型コロナウイルス感染症は、世界中の人々の健康状態や、各国の社会・経済に深刻な影響を及ぼしました。一方で、新型コロナウイルスに対するワクチン開発も急ピッチで進められ、日本では21年2月から接種が開始されています。

 ただし、国内における新型コロナウイルスワクチンの接種状況と、同ウイルス感染症による死亡率の関連性については、質の高い研究データが限られていました。そのような中、新型コロナウイルスワクチンの接種と死亡者数の関連性を検討した研究論文が、ワクチンに関する専門誌の電子版に25年5月20日付で掲載されました。この研究では、国内の新型コロナウイルスの感染者数や死亡者数、ワクチンの接種状況、ワクチンに対する偽情報などのデータが網羅的に収集されました。得られたデータから、高精度で死亡者数を予測できる数理モデルが開発され、ワクチン接種をめぐるさまざまな状況と、死亡者数の関連性が分析されています。

 分析の結果、ワクチン接種によって避けられた死亡者数は、21年において3万117人と推定されました。しかし、ワクチンに関する偽情報の影響を適切に管理できなかった場合、死亡者数の推定値は1020人増加しました。一方、偽情報が適切に管理できた場合、死亡者数の推定値は431人減少しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差