ドン・キホーテが進次郎農相に異例の「直訴」…コメ流通は消費者ファーストではないのか? 識者が解説

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〈最大5次問屋まで存在するなど多重構造により、中間コストに加えてマージンがそれぞれ発生する〉

 安価な備蓄米を求めて一部店舗で行列ができる中、ディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、吉田直樹社長名義で小泉進次郎農相に意見書を提出。コメ不足、価格高騰を招いた流通の問題に斬り込んだ。

 JAなど集荷業者が卸す1次問屋が固定化され、新規参入が難しい点。参入が自由な2次以降は5次まで問屋が存在する多重構造になっていて、中間マージンが積み重なった結果、仕入れ価格や店頭価格が高騰している点。さらに、問屋の一部がブローカー化し、投機目的で価格を吊り上げている点などを指摘。進次郎方式の備蓄米放出のように多くの問屋を介さず、小売店に卸すシンプルな構造にすることで、消費者利益にくみすると訴えた。

 そもそも、なぜ多くの問屋が存在するのか。

「JAなどから1次問屋にコメが渡った後、2次から5次まで経由しないと小売りに流れないわけではありません。問屋が多く存在するのはコメが余った際など、さまざまな売り先を持つ問屋間で融通し合う在庫調整の目的もあります。特に店舗数の多い小売業の場合、必要量を集めるのは非常に難しく、こうした問屋がいることで安定供給が実現しています」(米流通評論家・常本泰志氏)

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