(1)日本人の50人に1人が該当…若年層と高齢者に多い
「日本人の50人に1人が斜視」と聞いて、驚かれる方も多いかと思います。
「斜視はがんや心疾患に次いで患者数が多く、国民病と言っても過言ではありません」
こう話すのは宮田学・京都大学大学院医学研究科眼科講師です。宮田先生は世界初の斜視の全国調査「日本人における斜視の有病率の全国調査」(「AmericanJournalofOphthalmology」 2023年)を行った研究グループの中心メンバーで、この調査によって日本人の斜視患者数は270万人(全人口の2.15%)ということが明らかになりました。
「実は、この数は医療機関で診断された数で、斜視に気が付かない潜在的患者さんも含めると、患者数はもっと多いと思われます。年齢層も小児から高齢者までと幅広く、特に若年層(5~19歳)と高齢者(70歳以上)に多くみられます」(宮田講師)
斜視とは、ものを見る時に、片方の目の視線がずれる状態を言います。ずれが外側の場合を外斜視、内側が内斜視、上下にずれている(たいていねじれを併発)場合を上下回旋斜視と言います。