精米「目詰まり」で備蓄米大行列は解消ならず…工場フル回転も大手の余力はゼロ
完売続出だ。大手スーパーやコンビニ各社などで、随意契約で調達した備蓄米の本格販売が始まったが、どこもかしこも安いコメを求める人々が押し寄せ、瞬く間に売り切れてしまう。開店前から並ばずに買えれば、それに越したことはないが、長蛇の列は残念ながら消えることはなさそうだ。
理由は「精米」だ。政府は玄米の状態で小売業者に備蓄米を直接売り渡し、精米は業者任せ。小売りの大半は自前の精米設備を持っておらず、コメ卸などの精米工場に頼らざるを得ない。そのため、殺到する依頼を処理するのに、各地の工場はパンク寸前。精米の「目詰まり」が起きているのだ。
コメ卸でつくる全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)は6日、加盟各社の精米を引き受ける余力について初の調査結果を公表した。大手の神明は余力ゼロ。全国6工場で1日換算の精米能力(日産)計700トンを誇るが、もはや依頼を請け負えないほどのフル回転だ。
日産200トンのヤマタネをはじめ、100トン超の大手のほとんどが余力ゼロ。
回答を得た全国51社の精米余力の合計は日産250~290トンだったが、それも各社の2~10トンなど、か細い余力を積み上げた結果である。