能登半島地震被災者「医療費免除」6月末終了の非情…復興遠く、物価高と高齢化のWパンチに悲痛な叫び続々
被災者の医療アクセスが、閉ざされようとしている。石川県内の医療従事者でつくる県保険医協会が4日に記者会見を開き、能登半島地震の被災者を対象にした医療費負担免除の継続を訴えた。
国は現在、昨年1月の地震で自宅が半壊以上の被害を受けたり、職を失った人などを対象に、医療・介護サービス利用料の一部を免除する特例措置を実施している。期限はこれまで3回延長されてきたが、現時点では今月末までとなっている。
会見で同協会は、被災者を対象に実施したアンケートの調査結果を公表。医療費免除が終了することについて、特例措置の対象者1911人のうち83.5%が「通院に影響がある」と答えた。具体的な影響(複数回答可)は「生活費を切り詰めて医療費に回す」(65.5%)、「受診回数を減らす」(41.8%)、「受診せず我慢する」(24.6%)の順だ。
自由記述欄には「生活基盤が失われて収入がない。助けてください」「復興半ばでの支援打ち切りは残酷です」など、悲痛な声が寄せられた。特例措置が終われば、彼らに必要な医療を受けられなくなるのは必至である。