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奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

進次郎農相が検討「入札備蓄米 買い戻し」には重大リスク…「平成のコメ騒動」の二の舞の恐れも

公開日: 更新日:

 6月3日、小泉進次郎農林水産相が、一般入札で売却した備蓄米の買い戻しを検討していると語った。この備蓄米31万トンの大半は農協が3月に一般入札で落札したもので、一部のスーパーなどでは販売しているが、消費者に届いているとは思えない。

 ところが、小泉氏が大臣になると農協や米問屋の中間業者を飛ばして、一気にコンビニやスーパーなど大手小売店と随意契約して安価に放出した。大臣に就任してわずか10日ほどで店頭に並んだのである。

 そのために値段が違う2種類の備蓄米が並ぶことになった。収穫時期が違うとはいえ、随意契約の米より5キロで1000円以上も高くなるのだから、一般入札米は売りにくくなってしまった。

 だったら買い戻して小売店に出せば「店頭の不足感を解消」すると同時に、米価引き下げの起爆剤になる、と考えたのかもしれない。実際、店頭に並ぶブランド米の価格は下がっていないが、スポット市場では米価が下がり始めていると、米の集荷業者は言った。

「市場で取引されない米は1俵4万円台まで暴騰していましたが、備蓄米を放出してから3000円も下がっています。これは米価が下がる兆候ですね」

 もうひと押しで表の米価が下がるなら、一般入札の備蓄米を買い戻して一気に店頭に並べれば米価が下がる可能性が高くなる。小泉大臣がそんなことを考えたかどうかは知らないが、米の値段が下がれば消費者は喜ぶはずだ。だが、農業指導をしている知人は「それはやめたほうがいい」と言った。

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