梅雨の時季に増加する「過呼吸」に要注意…自律神経が乱れやすい
今週から梅雨入りする地域も多い。梅雨の時季は、パニック障害の症状の一つである過呼吸が出やすくなると言われている。国際医療福祉大学熱海病院検査部・部長の〆谷直人教授に話を聞いた。
呼吸は、無意識でも行えるように脳でコントロールされている。
「ところが精神的なストレスが大きかったり、極度の緊張状態に置かれたりすると、呼吸が乱れ何度も繰り返し息を吸ったり吐いたりする過呼吸を起こしやすくなります」(〆谷直人教授=以下同)
過呼吸は、正しくは「過換気症候群」という。何らかの原因で血液中に酸素が不足すると、脳の呼吸中枢が刺激されて通常より速く浅い呼吸になり、血中の二酸化炭素濃度やカルシウムが低下する。一方、ストレスや緊張で過呼吸を起こしている場合は、血液中の酸素不足や二酸化炭素濃度の低下はさほどではないこともある。
パニック障害は、湿度の高い梅雨に起こりやすいといわれている。梅雨時季は湿度が高く気温の変化も大きく、身体に負担がかかりやすい。自律神経も乱れやすい。4月から新たな生活がスタートした人は精神的な疲労も出てくる頃だ。複数の要因が重なると、これまで過呼吸を起こしたことがない人も、大丈夫とは言えない。