ヨネスケさんにとって野球は“ライフワーク”…1982年以来ほぼ毎年メジャーを現地観戦
ヨネスケさん(落語家/74歳)#11
「昨日までやっていたWBC、野球ファンばかりじゃなくて、にわかファンの間でも盛り上がっていましたね。そりゃ、結構なことだと思いますよ。日本人メジャーリーガーが活躍して、ほかの国のメジャーリーガーと試合をするんだからすごい! 私としては、ちょっとカッコいい言葉でいえば、まさに隔世の感のひと言。なにも偉そうなことをいうわけじゃないんですがね……」
そう切り出したヨネスケさん。“野球だけが唯一の趣味、生き甲斐。野球に失礼だから、ほかに趣味はナシ”と公言するだけに、話題が野球となると、目が輝きはじめる。
「私がメジャーリーグ、いや当時はそんな言葉はなくて“大リーグ”ですよ。その大リーグのとりこになったのは小学生の頃ですよ。もうすぐ後期高齢者の75歳だから、65年くらい前のことになりますね。結構、年季が入っているでしょ。母親の知り合いが『週刊ベースボール』を見せてくれたんです。そこで目にしたのがスタン・ミュージアル(セントルイス・カージナルスで活躍した名選手)の写真。もちろんモノクロ写真でしたけど、カッコいいなって、衝撃を受けましたよ」
“少年ヨネスケ”はこれをきっかけに野球に目覚めるわけだが、当時の日本では、なんといっても長嶋茂雄選手が大人気。ヨネスケさんもまた長嶋ファンとして育った。当時、大リーグは海の向こうの遠い国の話だった。そんなヨネスケさんに“メジャーリーグ”の扉を開けてくれたのがパンチョ伊東(一雄)さん(故人)。当時、パ・リーグの広報部長を務めていた。「読売ジャイアンツ、第1回選択選手……」。ドラフト会議の司会の名調子で有名だった人だ。大のメジャーリーグ通としても知られていた。
「たまたま、テレビ番組でお会いしたんですがね。私がメジャーリーグのことを話したら『そんなに好きだったら、一緒に行きましょう』って。それで、福島良一さん(スポーツジャーナリスト)も仲間に加わって、10人くらいで米国に行くことになったんです」