洋食レストランの洗い場はまるでチャップリンの「モダン・タイムス」だった

公開日: 更新日:

 それはともかく、私は翌日からレストランの洗い場で働き始めた。上半身の白衣は店から貸与。下はジーパンでオーケー。洗い場で先輩男性に指導されつつ、客席から下がってきた皿やナイフ、フォーク、グラスを洗う。コース料理が中心のため、1人のお客に10種類前後の食器を使う。お客が30人いたら、なんと300枚だ。

■1枚10万円の皿がごろごろ

 数の多さも驚きだが、食器の値段も驚異的だ。1枚10万円の皿がごろごろしている。割ったら大変だ。だけどひっきりなしに皿が戻ってくるため、息をつく暇もなく洗い続ける。まるでチャップリンの「モダン・タイムス」である。

 ガンガン洗っているうちに皿を割ってしまうことも。そのときは支配人に自己申告して謝る。支配人は紳士なので「気をつけてください」と注意するだけ。怒鳴りもしない。

 仕事に慣れたら、今度は洗うだけでなく、皿を棚に戻す作業も任された。これが厄介だ。なにしろ食器は大から小まで相当な種類があり、あちこちの棚や倉庫に分散して収納されている。それらの所定の位置をすべて覚えなければならない。トランプゲームの「神経衰弱」をやっているようだ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?