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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

注目集める「原始反射」…指を強く握り返すのは認知症の前兆?

公開日: 更新日:

 認知症の原因となる脳の変化は、10年以上前から少しずつ起こっていると考えられています。物忘れなどの症状がはっきり出てきた時点では、実際には脳の異常はかなり進行しているのです。

 認知症の治療は、なるべく早く開始した方が有効性が高いと考えられています。それでは、発症する前に認知症を予想するような方法はないのでしょうか? いくつかの兆候が、認知症のリスクと関連があると考えられています。そのうちのひとつが、赤ちゃんの時にあって成長と共に消失する「反射」が、年齢を重ねてから再び出現することです。これを「原始反射」と呼んでいます。

 たとえば、赤ちゃんの手のひらに指で触れると、赤ちゃんはその指を無意識に握り返します。

 また、唇に指で軽く触れると、お乳を吸うようにその指を吸い込もうとします。こうしたいくつかの反射が、原始反射と呼ばれているのです。

 今年の米国医師会関連の医学誌に、この原始反射の出現と、認知症リスクとの関連を検証した論文が掲載されました。イギリスの専門施設で、認知症を発症していない70歳以上の873人の高齢者を調査したところ、認知機能に異常のない人でも、8.8%には2種類以上の原始反射が認められ、原始反射があると、ない場合と比較して、その後に認知症になるリスクが78%も増加していたのです。

 原始反射が出現することは、認知症の前兆なのかもしれません。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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