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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

欧米では「子宮頸がん」の撲滅が目前…英国は20~24歳の死亡が5年間ゼロ

公開日: 更新日:

 欧米では近い将来、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で広がる子宮頚がんが撲滅されることをご存じでしょうか。そんな未来が近づいていることを裏づける研究結果が英国で発表されました。

 英国では2008年からHPVワクチンを公費で接種する仕組みが始まりました。HPVには200種類以上の型があって、そのうち高リスクが問題で、現在は9種類をカバーするワクチンが12、13歳を対象に使用されています。この取り組みを続けた結果、20~24年の間、20~24歳の女性では子宮頚がんによる死亡が報告されませんでした。こうした成果が5年間続いたのは初めてだそうです。研究結果は、医学誌ランセットに掲載されました。

 子宮頚がんによる5年ごとの死亡数は、00~04年が25人で、以下16人、27人、5人と続き、今回のゼロにつながります。1年に約1万人が子宮頚がんと診断され、約2700人がこの病気で命を落とす日本との違いは歴然です。

 欧米における子宮頚がんの撲滅の定義は、10万人あたりの死亡数が4人未満で、英国では35~40年ごろに達成される見込みです。HPVワクチンの接種率が9割に上るスウェーデンはもっと早く27~30年ごろ、同80%以上の豪州は28~35年ごろと予測されています。欧米では、30年代後半から40年代にかけて、多くの国で子宮頚がん撲滅が達成されるのは、ほぼ間違いありません。HPV検査も普及していて、たとえこのがんが見つかっても、早期に治療する体制も整っています。

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