北海道でサンマ豊漁「初水揚げ量が昨年の140倍」にはトリック…庶民の魚は食卓に戻ってくる?

公開日: 更新日:

「大漁」「大幅安」など、景気のいい見出しが躍った。

 今月10日に解禁されたサンマ漁が、豊漁だと報じられている。先週、北海道根室市の花咲港で初水揚げされたサンマは67トンで、昨年の490キロを大幅に上回った。市内のセリでは1キロ724円が最高値となり、過去最高の1キロ14万400円を記録した昨年と比べると、驚くほど値が下がった。札幌市内では、1尾18円と破格の値段で売り出されたものもあったという。

 かつては安く買える「庶民の魚」だったサンマだが、資源が減少したことなどで2010年ごろから深刻な不漁が続き、いまや「高級魚」に。それが、北海道でこの「フィーバー」ぶりだ。ようやくサンマが取れるようになったのか。今年は「庶民のサンマ」が戻って来るのかと期待が膨らむ。しかし……。

「決して豊漁というわけではなく、ある意味、数字のトリックです」と言うのは「全国さんま棒受網漁業協同組合」(全さんま)の担当者だ。

「サンマ漁は例年、漁獲量が少ない小型船が優先的に漁をできるよう、小型船には大型船より10日早く出漁日を設定していました。しかし、今年は極端な不漁から少しでも水揚げ量を増やそうと、試験的に小型船から大型船まで一斉に出漁が解禁された。昨年は小型船のみの少ない初水揚げ量だったので、船の大きさを問わず一斉に出漁した今年は単純比較すると、豊漁に見えるわけです。実際、現時点での全体の漁獲量は昨年と同程度と思われます」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???