クマが山形から秋田まで50キロ移動し再出没 放獣か、捕殺か…判断基準は県によってバラバラ

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 クマにしてみれば「県境」など知ったこっちゃない。

 今年6月、山形県酒田市の住宅街で捕獲され、山に返されたクマが、10月、約50キロ離れた秋田県横手市に出没し、駆除された。

 6月3日、酒田市の住宅街にある「法輪寺」で子グマが床下に入る姿が防犯カメラに写った。5日後の8日夜、市が仕掛けた箱わなにかかったのは、親離れしたばかりとみられる体長96センチ、体重32キロのメスだった。獣医師が麻酔銃で眠らせ、両耳に個体識別用のタグをつけて市街地から離れた山間部に放った。

 4カ月半が経った10月24日朝、横手市内の集落で小屋に入り込むクマが目撃された。市が秋田県を通じて山形県に個体識別番号を照会したところ、酒田市で捕獲後、放獣されたクマと同一個体だと判明したため、駆除した。4カ月半の間に体長は120センチ、体重は推定50キロに成長していた。ケガ人はいなかった。

「環境省のガイドラインでは、暴れたり、人に危害を及ぼす恐れがあるとか、頻繁に人間の生活圏に下りてくる場合を除いて放獣を推奨しています。保護の観点からも、ガイドラインに沿って山に放ちました。酒田市で放獣したのは、ここ数年でこの1頭だけです。秋田で再び出没したため、放獣後、再被害を起こした個体と判断され、駆除となった」(酒田市危機管理課担当者)

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