洋服の青山「みんなのスーツ」はなぜヒットしたのか? 売れない時代に10万着突破
■本格的な立体縫製は死守
開発を担当した青山商事商品第一部の河原林孝太マネジャーは「低価格帯でも、60年かけて築き上げてきた洋服の青山の仕立てのクオリティーだけは妥協したくなかったですね」と話す。
通常のスーツと比べると、パーツを約25%まで減らしているが、一般的なスーツと同じ60~70のパーツを使った本格的な立体縫製は死守しつつ、作業工程を減らしてコストカット。同社の主力は3万9900円のスーツというが、その3分の1の低価格を実現させた。光沢を抑えた生地の開発にも苦労したそうだ。
「気軽に選んでもらえるゲートウエー商品、入門編として、当初はスーツに馴染みのない若年層を想定していましたが、下は小学生の卒業式から、上はすでにリタイアした世代まで幅広い年齢層に支持されています」と、前出の河原林マネジャーはこう続ける。
「ゲレンデマジックじゃありませんが、スーツって単純に着るだけで格好良く見えますよね。かつての社会人は着ることが“義務”でしたが、今は場面によって使い分ける自分をプロデュースする道具のひとつです。『みんなのスーツ』でそんな自己表現の楽しさも知ってもらって、さらに上級のスーツを手に取ってもらえるようになれば」
最大のヒットの要因は作り手の“こだわり”にあるようだ。
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