著者のコラム一覧
中川右介

1960年東京生まれ、早大第二文学部卒業。出版社「アルファベータ」代表取締役編集長を経て、歴史に新しい光をあてる独自の執筆スタイルでクラシック音楽、歌舞伎、映画など幅広い分野で執筆活動を行っている。近著は「月9 101のラブストーリー」(幻冬舎新書)、「SMAPと平成」(朝日新書)など。

(1)百恵を発見した男たち-1972年- デビュー前の百恵を「スタ誕」生みの親や都倉俊一はどう見ていたのか

公開日: 更新日:

 昭和歌謡曲を回顧する番組に必ず登場する「山口百恵」。芸能人として活動したのは8年弱でしかない。引退して45年も過ぎたいまも絶大な人気を持ち、当時を知らない20代・30代も、映像や録音で百恵を知って魅せられている。「山口百恵」とは、どのような存在だったのか。評伝「山口百恵」の著者が検証していく。

 山口百恵が生まれたのは1959年1月17日。4月に「皇太子ご成婚」(現・上皇ご夫妻)があり、テレビが飛躍的に普及した。彼女が5歳になる64年には東京オリンピックがあり、この頃までにほとんどの家庭がテレビを持ち、そのテレビでは毎日のように、歌番組が放送されていた。

 百恵の自叙伝「蒼い時」によると、「歌手という職業」に憧れを抱くようになったのは小学校高学年になってからだという。70年前後である。そして中学生になっていた71年10月、彼女の人生を変える、いや、日本芸能界を変えるテレビ番組、「スター誕生!」が始まった。

 日本テレビの音楽番組のプロデューサー池田文雄は新しいスカウト番組を作ろうと考え、阿久悠に相談した。当時34歳で新進気鋭の作詞家で、この年に尾崎紀世彦「また逢う日まで」がレコード大賞を受賞し、ブレークする。阿久は「テレビがテレビ時代にふさわしいスターを作る」という企画に、プロデューサー的立場で関わることにした。番組にも審査員として出演し、デビューする新人の曲を作詞する。

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