著者のコラム一覧
中川右介

1960年東京生まれ、早大第二文学部卒業。出版社「アルファベータ」代表取締役編集長を経て、歴史に新しい光をあてる独自の執筆スタイルでクラシック音楽、歌舞伎、映画など幅広い分野で執筆活動を行っている。近著は「月9 101のラブストーリー」(幻冬舎新書)、「SMAPと平成」(朝日新書)など。

(1)百恵を発見した男たち(1972年)デビュー前の百恵を「スタ誕」生みの親や都倉俊一はどう見ていたのか

公開日: 更新日:

 池田だけではない。たまたま彼の妻も見学に来ており、「101番の子、なんとなく目立ったわ」と言ったという。

 スター誕生の物語には「あの子を最初に見つけたのは俺だ」と言う者が何人もいる。池田よりも先に百恵を発見したと言うのが、CBSソニーのプロデューサー酒井政利だ。71年6月に南沙織を、72年8月に郷ひろみをデビューさせて成功した酒井は、その次のスターを探していた。そんなある日、日テレのディレクターに会いに行き、デスクに積んであった「スタ誕」応募者の写真を眺めていると、そのなかの一枚が「不思議な新鮮さで目に飛び込んできた」(酒井著「プロデューサー」)。

 いうまでもなく、山口百恵である。写真の百恵は、白いブラウスとミニスカートという普通の装いだったが、酒井は「その清々しい表情に、妙に惹かれてしまった」。

「スタ誕」に話を戻すと、予選会の参加者は400人前後で、1次審査で30秒から60秒歌わせて40人前後に絞る。2次でさらに6人から7人に絞られ、この合格者がテレビ予選へと進む。百恵は合格し、11月1日のテレビ予選に出た。阿久と都倉俊一はこの段階で百恵を知った。

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