「ターゲテッド・キリング」杉本宏著

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 法治国家(民主国家)においては殺人は、司法による死刑と戦争で敵兵を殺害することのみが合法とされてきた。ところがそこに2001年の9・11同時多発テロが起きる。この事件を契機に時に暗殺まがいとされる非公然の標的殺害が横行するようになる。ひとつは11年にアルカイダの首領ビンラディンが米海軍特殊部隊によって殺害されたように表沙汰にされた標的殺害。もうひとつは本書で取り上げる無人機によるISメンバーの殺害だ。この戦術は巡航ミサイルより安価で、かつ米側の死者はゼロ。

 オバマ政権下で飛躍的に増えたこの戦術は、現トランプ政権になると大統領による事前の承認も必要なくなり、CIAの判断に任されるようになった。

 東京オリンピックを目前にした日本の課題も浮き彫りにさせた一冊。(現代書館 2200円+税)


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