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アメリカ社会の底流 トランプ政権で表に出てきた“腐った部分”

「ダーク・マネー」ジェイン・メイヤー著、伏見威蕃訳

 オバマ政権が誕生したとき、これから訪れるリベラルの時代を恐怖した一団がいた。それが保守勢力。保守といいながらもこの一団には国士の志はなく、アメリカを自分たちの利権の場にすることしか頭にない。その中心にいるのがコロラドを本拠地とするコーク兄弟だ。本書は「ニューヨーカー」誌の記者が、この経済利権集団を追った力作ノンフィクション。

 コーク一族の長フレッドは石油事業を始め、その技術でヨーロッパに食い込む。反共主義者だったが、利権を求めて建国間もないソ連との取引に走り、ついで関わったのがヒトラーの第三帝国だった。こんな黒歴史を持つコーク一族とその周辺が、どのようにしてオバマ政権のリベラル政治を阻害し、共和党首脳部を抱き込んで保守政治そのものを堕落させたかが入念に描かれる。

 現代のアメリカ政治では大衆扇動のポピュリズムが問題になっているが、実は草の根の保守団体と呼ばれる組織にはコーク兄弟の裏資金が大量に流れ込んでいる。その実態も本書は明らかにしている。(東洋経済新報社 3600円+税)

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