3年前まで負債2500万円…326が見た大人たちの世界
会社からあてがわれていたのは6畳1Kの部屋だけ。その給料から実家に仕送りもして、そこに兄貴も転がり込んできて、布団2枚は敷けないので、兄貴は寝袋でした。
それでも僕、10万でお金が余っていたんです。食事はごはんを醤油で炒めただけで十分。部屋が狭いからイラスト描くのに喫茶店に行くぐらい。服はじいちゃんのおさがり。人前に出る時は明るく振る舞ってますが、根が引きこもりなもんで人に会わないし、酒も飲まないから、全然お金を使わない。
そんな引きこもりだから、ダマされてるって気がつくまでに2年も費やしちゃいました。たまたま糸井重里さんやさくらももこさんと合作した時に、「君、大丈夫? おかしくない?」って収録中に忠告してくれました。当時の事務所は僕に他の人とコンタクトを取らせなかったので、直接僕と話せるのはそこしかなかったんです。
当時はイラストを描くたびに「(C)事務所名」を絶対書くよう言われてました。社名が書いてあれば、全て会社のものだと主張できると思ったんですね。でも、僕には絵を描いた「著作権」があった。それを糸井さんやさくらさんなど素晴らしい先輩が教えてくれて、いろいろ助けていただいて裁判したんです。おかげであくどいオトナとも縁が切れました。