2025年の単語は「パラソーシャル」…推し活とAIがつくる「一方通行の親密さ」
面識のないセレブや、AIとさえ「つながっている」と感じてしまう。そんな一方通行の関係を意味する「パラソーシャル(擬似的な社会関係)」が、ケンブリッジ辞書の「今年の単語」に選ばれ、大きな話題を呼んでいます。
この言葉が生まれたのは、まだテレビが最新テクノロジーだった1956年。視聴者が画面の向こうのスターに親しみを抱く現象を説明するために、社会学者が作った概念です。それが今、半世紀以上の時を経てなぜ再び脚光を浴びているのか。その背景には、テイラー・スイフトと AIという、現代を象徴する2つの存在があります。
今年、テイラーが婚約を発表した際、ファンが「会ったこともない」このカップルを熱烈に祝福する様子は、辞書が「パラソーシャルの典型」として挙げた現象のひとつです。
さらに2025年は、ChatGPTのような対話型AIへの懸念が一気に広がった年でもありました。16歳の少年が AIとの対話をきっかけに自殺したとされる訴訟が起きたことは、多くの人に衝撃を与えました。
有名アーティストとのパラソーシャルな関係についても、ファンによるストーカー行為やアカウントのハッキング、他のアーティストやファンへの中傷・脅迫など、問題行動が絶えず報じられています。


















