著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

2025年の単語は「パラソーシャル」…推し活とAIがつくる「一方通行の親密さ」

公開日: 更新日:

 面識のないセレブや、AIとさえ「つながっている」と感じてしまう。そんな一方通行の関係を意味する「パラソーシャル(擬似的な社会関係)」が、ケンブリッジ辞書の「今年の単語」に選ばれ、大きな話題を呼んでいます。

 この言葉が生まれたのは、まだテレビが最新テクノロジーだった1956年。視聴者が画面の向こうのスターに親しみを抱く現象を説明するために、社会学者が作った概念です。それが今、半世紀以上の時を経てなぜ再び脚光を浴びているのか。その背景には、テイラー・スイフトと AIという、現代を象徴する2つの存在があります。

 今年、テイラーが婚約を発表した際、ファンが「会ったこともない」このカップルを熱烈に祝福する様子は、辞書が「パラソーシャルの典型」として挙げた現象のひとつです。

 さらに2025年は、ChatGPTのような対話型AIへの懸念が一気に広がった年でもありました。16歳の少年が AIとの対話をきっかけに自殺したとされる訴訟が起きたことは、多くの人に衝撃を与えました。

 有名アーティストとのパラソーシャルな関係についても、ファンによるストーカー行為やアカウントのハッキング、他のアーティストやファンへの中傷・脅迫など、問題行動が絶えず報じられています。

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