放送時間わずか8分…NHK「佐村河内検証番組」の肩透かし

公開日: 更新日:

 16日にNHKが「佐村河内氏問題」に関する調査結果を放送すると聞いて、「随分早い対応だな」と思いつつ、その内容に注目していた。場所は午前11時からの「とっておきサンデー」の枠だという。であれば、54分の検証番組を制作したのだと思っていた。

 ところが実際に見てみると、「ごちそうさん一週間」をはじめ、いつもと変わらないコーナーが延々と続く。結局、番組の終盤で生活・食料部長がスタジオに登場し、司会の女性アナウンサーの質問に答える形で説明しただけだった。時間にして約8分だ。

■企画からオンエアまでの経緯を説明

 その説明は企画の提案から放送までの流れや、佐村河内氏の「作曲」「聴力」に対するスタッフの認識についてだった。たとえば佐村河内氏は譜面を書くシーンを撮らせなかった。しかし事前に楽曲の「構成表」を見ていたことで一応納得した。聴力についても診断書や障害者手帳は確認したが、それ以上は人道上の問題もあった等々。

 要するに「自分たちも見事にだまされました」という話だ。いや、一番言いたかったのは「不徳の致すところではあったが、ウソと気づきながら番組を作ったわけではない」ということだろう。

 とにかく、わずか8分間の調査報告とは完全に肩透かしを食らった。後はホームページに掲載した10ページの報告書で幕引きとしたいようだ。
(上智大教授・碓井広義=メディア論)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束