(1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

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 その電話は1月中旬の祝日、昼前にかかってきた。スマホの画面には「おかん」と表示されている。すぐに出るとしばしの沈黙の後、第一声が「あのね……、痛いの……」。弱々しい声だった。

 嫌な予感がした。痛いってどこが? 間髪入れずに聞き返すとひと呼吸おいて「うん、転んだのよ」。回りくどい説明から始まるのは高齢者にはありがちなことだ。もどかしい思いを抑えつつ、じっくり誘導しながら順に聞き出した。

 歩いて買い物に出た帰り道、家の近所でよろけて尻もちをつくように転んだ。何とか自力で家に戻ってきたけれど、まだ腰や足が痛い……。まとめるとこうなった。

 あ、やっぱり。いつかこういう日が来ると思っていた私は何とも言えない無力感を感じていた。なぜならこの時のおかんは86歳。実家の一戸建てで20年以上ひとり暮らしを続けていた。息子としてはそれが限界に来ていると常々感じていたからだ。

 おかんは女学校時代、自宅から片道10キロ以上の道のりを徒歩通学したといい、80歳を越えても数キロなら平然と歩きまわっていた。それが股関節の変形により歩き方が不安定になった。「危険なので杖を使おうよ」。何度も勧めていた。

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