(1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

公開日: 更新日:

 その電話は1月中旬の祝日、昼前にかかってきた。スマホの画面には「おかん」と表示されている。すぐに出るとしばしの沈黙の後、第一声が「あのね……、痛いの……」。弱々しい声だった。

 嫌な予感がした。痛いってどこが? 間髪入れずに聞き返すとひと呼吸おいて「うん、転んだのよ」。回りくどい説明から始まるのは高齢者にはありがちなことだ。もどかしい思いを抑えつつ、じっくり誘導しながら順に聞き出した。

 歩いて買い物に出た帰り道、家の近所でよろけて尻もちをつくように転んだ。何とか自力で家に戻ってきたけれど、まだ腰や足が痛い……。まとめるとこうなった。

 あ、やっぱり。いつかこういう日が来ると思っていた私は何とも言えない無力感を感じていた。なぜならこの時のおかんは86歳。実家の一戸建てで20年以上ひとり暮らしを続けていた。息子としてはそれが限界に来ていると常々感じていたからだ。

 おかんは女学校時代、自宅から片道10キロ以上の道のりを徒歩通学したといい、80歳を越えても数キロなら平然と歩きまわっていた。それが股関節の変形により歩き方が不安定になった。「危険なので杖を使おうよ」。何度も勧めていた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    Snow Man佐久間大介が城西国際大学メディア学部映像芸術コースで培った“強力な武器”

  2. 2

    長崎平和式典で注目 国光文乃外務副大臣の「黒歴史」…高市首相の傲慢ヨソに「非核三原則」堅持明言

  3. 3

    高市首相が長崎被爆者団体に“ガン飛ばし”で大炎上! 会長あいさつ「戦争知らない」に過剰反応?

  4. 4

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  5. 5

    松本若菜“シャイニング顔”で奮闘も…「君の好きは無敵」視聴率4.3%からの反撃を阻む“アラ還コンビ”

  1. 6

    玉川徹、橋下徹、杉村太蔵、カズレーザー…いま一番視聴率が取れるコメンテーターは誰?

  2. 7

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 8

    霞ケ浦“春高バレー指揮官”高橋監督「今から他競技でも県ベスト8は狙えます。部活動の指導は組織づくり」

  4. 9

    萩本欽一〈36 〉茨城GGを創設して野球界に乗り込んだ理由は長嶋茂雄さんとの2人きりの会話

  5. 10

    松村北斗「告白」で“一番の演技派”に王手! イケメンだから許される“ストーカー役”で証明した伸びシロ