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寺脇研京都造形芸術大学客員教授

1952年、福岡市生まれ。ラ・サール中高、東大法学部卒。75年に文部省(当時)入省、映画評論家としても活動開始。初等中等教育局職業教育課長、大臣官房審議官、文化庁文化部長などを歴任し、2006年に退官。ゆとり教育の旗振り役を務め、“ミスター文部省”と呼ばれた。映画「戦争と一人の女」「天上の花」などをプロデュース。

(1)台湾から最短で約111キロ…沖縄の犠牲は82年前に始まった

公開日: 更新日:

「新しい戦中」という企画提示を受けて一瞬驚いた。第2次安倍政権の頃から「新しい戦前」は実感していたものの、「戦中」? しかし、昨年末のニュースだけ取っても、首相が「継戦能力を高めなければいけない」と発言する中で防衛費は9兆円を超え過去最高を記録するし、子ども向け「防衛白書」なるものが小学校にまで配布されていると知ると、決して大げさな表現ではない。

 で、最も深刻なのは昨年11月7日の台湾有事に関する首相答弁である。それが我が国の「存立危機事態」(国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険)だと明言した。しかも、「継戦能力」とは戦闘状態、つまり「戦中」を意識しているのだ。

 台湾から約2100キロも離れた東京で勇ましい発言をしているけれど、最も危険な状態になるのは最短で約111キロしかない沖縄だ。しかも米軍基地だけでなく、防衛のため着々と増強されてきた自衛隊基地だってある。昨年3月、台湾有事の際には人口の8%以上になる約12万人が九州・山口8県へ避難移住する計画が政府発表された。

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