<上>「ダルク」では取材依頼の電話をオレが受けて断ることも

公開日: 更新日:

 自分では「オレほど体にクスリが合う人間はいない」と思っていたほどでした。というのも、クスリの影響で人格が変わっちゃうことを“よれる”というんだけど、それが全然なかったから。むしろ、もともと悪かった滑舌や手の震えがピタリと消えた。「ロレツが回ってないからまた覚醒剤を使ってるだろ」とよく言われるけど、使うと逆に滑舌の悪さが治るんです。だから滑舌の調子良いときは怪しいと思ってほしい(笑い)。幻聴や幻覚もオレは見ないタイプで、集中力が増すから朝まで休まず絵がすごくキレイに描けたこともあった。時間が過ぎるのが早いから、一日中掃除していたことも。だから「ダルク」に来てキレイに掃除してると「使ってない?」って言われる。みんな経験してるから分かるんだよね。

 出所後に更生プログラムを受けて、今は「ダルク」のスタッフとしても働いています。日課は朝に掃除をしてコーヒーを沸かしたり、「田代さんの取材をしたい」という電話をオレが受けて、オレが断ったり(笑い)。親が薬物依存の子供を連れて「ダルクという施設を見たい」と相談を受けることもある。


「ダルク」に来てオレにも居場所があると思えるようになった。この年で刑務所に2回も行ってたら世の中、居場所なんてないからね。前に捕まったときは「早くこの過去を消したい」と思ってたけど、今はこの十字架を一生背負っていこうと思える。覚醒剤で捕まった芸能人はクスリのイメージを早く消そうとするけど、オレはそうじゃない。逆の意味でパイオニアになれたらいいと思ってる。

(つづく)

【連載】田代まさし特別インタビュー

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  3. 3

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  4. 4

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 5

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  1. 6

    山本淳一は「妻をソープ送り」報道…光GENJIの“哀れな末路”

  2. 7

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  3. 8

    巨人・岡本和真が狙う「30億円」の上積み…侍ジャパン辞退者続出の中で鼻息荒く

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    光GENJIは全盛期でも年収3000万円なのに…同時期にジャニー&メリーが3億円超稼げていたワケ