沢田亜矢子さんが振り返る恩人・森光子さんとの“師弟関係”

公開日: 更新日:

 その時の私は緊張のあまり身をすくめて、コッチコチ。最初のお言葉を頂き、ホッとしたのだけを覚えています。それ以来どれだけ森さんにお世話になったことやら。テレビや舞台、CM関係の方をたくさん紹介して下さり、演技から所属事務所の移籍や恋愛まで、ありとあらゆることを実の親以上に相談し、アドバイスを頂きました。

■舞台共演中「初日が出ない」と言われ続け…

 そんな中でも一番は、やはりお芝居。女優としての演技であり、心構えでしょうね。今でも忘れられないのは76年9月に行われた喜劇「千三家お菊」(芸術座)。私は主演の森さんを手玉に取る詐欺師の役でした。

 この時の私の芝居は森さんにはずっと不評でした。「初日が出ない」って言われ続け、千秋楽まできました。「初日が出ない」というのは合格点を取ってないってことで、座長の森さんから「出ない」と言われるのは、ホントに針のむしろに座る思いでした。

 初日から張り切りすぎました。森さんとの絡みで勢いよく走るだけでいいのに、アドリブで転んだんです。お客さんには受けてドッと笑いを取ったものの、森さんの演技を邪魔してしまったんですね。他にもセリフが早口だったり間を取りすぎたり……。悩んだ末、千秋楽の前に胸のうちを森さんに正直に話しました。そうしたら出るわ出るわ、森さんが私の力不足をたくさん指摘してくださって。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々