著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(4)「AMIE」は人間の医師を凌駕しつつある?

公開日: 更新日:

 画像診断のAIは、すでにかなりの水準に達しています。しかし画像だけで診断できる病気は、ごく限られています。実際の医療診断で、もっと幅広く使えるAIはどうなっているのでしょうか。医療AIに力を入れているGoogleの動きを見ていきましょう。

 Googleの研究チームは「AMIE」と名付けた対話型医療診断AIを開発し、さまざまな実験を行っています。その最初の論文は、2024年1月に、世界的な科学誌である「Nature」に掲載されました。実際にあった149症例のデータを使って、模擬患者に問診を行い、診断精度を評価するというものです。

 その結果、AMIEは人間のプライマリー医師たち(日本の一般的な開業医と同等と思ってよい)と比較して、問診による情報収集がうまく、診断精度が高く、治療方針・計画も優れていることが実証されたのでした。

 とくに患者とのコミュニケーション能力の高さが評価されました。AMIEの患者への説明は、人間の医師よりも分かりやすく、共感力や礼儀正しさでも優れていたのです。共感力といっても、アルゴリズムが適切な言葉を選択しているだけで、AI自体に感情があるわけではありません。しかし(模擬)患者たちはAMIEのほうが親切で頼もしいと感じたわけです。

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