長谷川京子と戸田菜穂が人妻女優対決『ふれなばおちん』は不倫を「女性の自己回復」として描いた佳作
今からちょうど10年前の2016年7月、長谷川京子主演「ふれなばおちん」(NHK BS)が放送されていた。原作は小田ゆうあの同名漫画だ。主人公の上条夏(長谷川)は、夫(鶴見辰吾)と2人の子供と暮らす、ごく普通の主婦。「いくつになっても女とか、それは雑誌やテレビの中のお話。誰かを好きになるなんて、もってのほか」。そう思っていた彼女が「でも、好きな人ができました」という事態に陥ってしまう物語だった。
長谷川は、かつてファッション雑誌のモデルとして若い女性の支持を集め、その人気ぶりが「ハセキョー現象」といわれた。そんな彼女も放送時は30代後半。実際に2児の母となり、堂々の人妻女優となっていた。
夏は家族と一緒に社宅で暮らしている。自分のことよりも家族を最優先する毎日だ。中学生の娘(山口まゆ)から、「お母さんて、それでも女?」などと叱られたりするが、平穏な人生だった。
ところが、同じ社宅に住む夫の同僚の妻が若い男と駆け落ちしてしまう。それをきっかけに夏の気持ちが揺れ始めた。さらに、隣に引っ越してきた夫の部下である青年(成田凌)が、忘れかけていた恋心に火をつける。「母だって、妻だって、女なんです!」なんて言われたら、多くの夫たちは沈黙するしかない。


















