韓国訪問で実感 積み重ねられたアート政策の厚み
先月、韓国・ソウルを訪れた。今回の目的のひとつが、国立現代美術館で開催されていたダミアン・ハースト展だ。ハーストは、ホルマリン漬けのサメやダイヤモンドをちりばめた頭蓋骨などの過激な表現で知られる、現代美術を代表するアーティストのひとりである。
平日の午前中だというのに、美術館には行列ができるほどの人出があった。周囲を見渡すと、外国人の姿も目立つ。日本語が堪能な美術館スタッフによると、日本からの来館者も少なくないという。世界的な巨匠の大規模個展が持つ集客力だけでなく、韓国におけるアート熱の高さにも驚かされる。
美術関係者は語る。
「近年のソウルは現代アートにおけるアジアのハブ(拠点)として存在感を高めている。世界的なギャラリーやコレクターが集まり、国際的なアートフェアも開かれるなど、その勢いは年々増している。映画やドラマ、K-POPだけでなく、美術の分野でも韓国は世界へ向けた発信力を強めている」
背景には、文化産業を国の競争力として育成しようとする政策がある。韓国政府は長年にわたりコンテンツ産業への支援を続けてきたが、その視線は美術やデザインにも向けられている。


















