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黒岩泰株式アナリスト

山一証券、フィスコなどを経て、2009年4月に独立。独自理論である「窓・壁・軸理論」をもとに投資家に、株式・先物・オプションの助言を行う。著書に「究極のテクニカル分析」「黒岩流~窓・壁・軸理論」など。

年金はいつもらうのが正解か…“通貨の目減り”をしっかり考える

公開日: 更新日:

「もらえるものはもらっておけ」

 これが結論である。年金の話だ。

 長生きリスクに備えよ、受給を繰り下げて額を最大化せよ──専門家の多くはもっともらしく語っている。だが、彼らが言っていることは、現在と未来が“同じ価値を保っている”と仮定した夢物語に過ぎない。

 なぜ「もらっておくべき」なのか。理由は明確である。

 第1に、インフレによる「実質価値の目減り」だ。かつて「物価の優等生」と呼ばれた卵を思い出してほしい。十数年前、卵は1パック100円台で買えるのが当たり前だった。しかし今や、その価格は2倍、あるいはそれ以上に跳ね上がっている。

 この“通貨の目減り”は、年金という固定額支給システムにとって致命的な毒となる。将来受け取る「増額された年金」が額面通りに増えたところで、卵1パックを買うための出費が今の倍に膨らんでしまっては、その実質的な購買力は低下しているに等しい。

 今受け取れる現金を確定させ、それを現物資産や自己投資に回すことこそが、忍び寄る通貨価値の毀損から身を守る唯一の防衛策となる。

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