年金はいつもらうのが正解か…“通貨の目減り”をしっかり考える
「もらえるものはもらっておけ」
これが結論である。年金の話だ。
長生きリスクに備えよ、受給を繰り下げて額を最大化せよ──専門家の多くはもっともらしく語っている。だが、彼らが言っていることは、現在と未来が“同じ価値を保っている”と仮定した夢物語に過ぎない。
なぜ「もらっておくべき」なのか。理由は明確である。
第1に、インフレによる「実質価値の目減り」だ。かつて「物価の優等生」と呼ばれた卵を思い出してほしい。十数年前、卵は1パック100円台で買えるのが当たり前だった。しかし今や、その価格は2倍、あるいはそれ以上に跳ね上がっている。
この“通貨の目減り”は、年金という固定額支給システムにとって致命的な毒となる。将来受け取る「増額された年金」が額面通りに増えたところで、卵1パックを買うための出費が今の倍に膨らんでしまっては、その実質的な購買力は低下しているに等しい。
今受け取れる現金を確定させ、それを現物資産や自己投資に回すことこそが、忍び寄る通貨価値の毀損から身を守る唯一の防衛策となる。
















