石坂浩二
著者のコラム一覧
石坂浩二俳優・タレント

1941年、東京都生まれ。慶応大在学中にTBS「七人の刑事」でデビュー。その後、NHK大河「天と地と」ほか、数々のドラマに出演。映画では市川崑監督「犬神家の一族」(76年)で金田一耕助を好演。市川監督作品では「細雪」、「おはん」などでも高い評価を得た。知的で軽妙なトークでも知られ、テレビ番組司会などでも人気。

<第1回>金田一のボサボサ頭は脱色して黒く染め、さらにパーマをあてて…

公開日: 更新日:

 黒沢明らと並ぶ日本映画の巨匠、市川崑の生誕100年を記念した映画祭が今月開催される。市川監督の仕事とはどのようなものだったのか。代表作「犬神家の一族」などに主演した石坂浩二(74)に聞いた。

――金田一耕助役のオファーを監督から受けたとき、最初は断ったと?

「ええ。当時僕は35歳くらいだったと思いますが、金田一と言われても、40歳くらいという設定年齢すら知らなかったんです。金田一耕助は子どもの頃に読んだ横溝正史さんの原作に『アメリカ帰りの名探偵』と書いてあって、ダブルの背広で拳銃をぶっ放すというくらいのイメージでして。それで、ちょっとやりたくないなあ、と。武器も何も持っていない、いわゆる探偵というのは、まだどなたもやっていない時代でしたね」

――監督は何と?

「『とにかく原作を読め、あの通りにやるから』の一点張り。僕が読んでいたというのは、確か『小説倶楽部』の読み切りで、金田一は最後に出てきたりこなかったりする程度でした。中学生の頃まで、江戸川乱歩を読むほうが生意気ふうと言いますか、横溝さんは大衆でエログロで売っているだけというような悪口があったんです。とはいえ、監督に言われて読み直したら、懐かしい日本というか、レトロな感じがした。かつての印象が払拭され、『犬神家』は探偵小説なんだけど、犬神佐兵衛をめぐる凄い長い長い大河ドラマなんだとようやくわかり……」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

  2. 2
    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

  3. 3
    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

  4. 4
    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

  5. 5
    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

  3. 8
    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

  4. 9
    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

  5. 10
    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず

    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず