「泣いてたまるか」好評 BSで名作ドラマがブームのなぜ?

公開日: 更新日:

 BSの名作テレビドラマの放送が人気になっている。特に顕著なのがBS12。土曜日に放送中の渥美清主演の「泣いてたまるか」が好評で、3月21日からの10日間と、4月からの毎週月曜日に、評判が良かった作品をセレクトして再放送されることが決まった。

 BS12はこのシリーズだけではない。少し前に終わった「女と味噌汁」や放送中の「ありがとう」も話題になっている。さらに、こうした反響を受け、他局でも名作ドラマの編成が続々と決まりつつあるという。

 共通しているのは、以上の3シリーズとも作られたのが1960年代から70年代だということである。この時期はまさにドラマの黄金期。それこそ、家族がお茶の間で一緒になってテレビを囲んでいた時代だった。

 その時代をテレビとともに過ごし、今は定年や老後を迎えた年配の人たちが、名作ドラマに改めて関心を寄せているのだろう。今では見かけることもなくなった、過ぎ去った日々の温かくも人情味あふれる人間模様が、逆に新鮮ということもあるかもしれない。

 自分が生きてきた時代とは何だったのか。名作ドラマの中に、そのヒントがある。若い人も庶民の生活を、気さくなドラマの中で味わうことができる。これは絶好の機会というべきだろう。

「泣いてたまるか」は渥美清だけではなく、青島幸男や中村嘉葎雄の主演作もあるという。筆者は見たことはないが、ドラマ史を知る上でも重要なので、ぜひ放映してもらいたいものだ。
映画ジャーナリスト・大高宏雄)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲