著者のコラム一覧
吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

赤塚不二夫<後編>笑いを生み出す力の裏には“悲劇的体験”

公開日: 更新日:

 ある大手出版社の新人賞の発表会でのこと。発表会の開始は午後3時ごろの予定だった。赤塚さんは若手社員をチョイチョイと手で呼び、

あのオチャケちょうだい」

 Aさんがウイスキーの水割りを手渡すと、赤塚さんは満足そうにグビリと飲みはじめた。

 待ち時間に合計5杯の水割りを飲んだという赤塚さんは会場で気持ちよくなって舟をこぎ始めた。肝心な最優秀賞のプレゼンテーターの役目が回ってきて、担当の新人社員が、

「先生、発表です」

 と起こすと、赤塚さんは突然ビシッと立ち、プレゼンター席で賞を授与する前にこう言ったそうである。

「最近、漫画雑誌を見ていると似たような漫画が多い。実に嘆かわしい。今日この会場で言いたいことはひとつ『人の真似はするな!』はい、以上」

 と実に重い一言を発した。コピペ文化花盛りの今から見ると、自分独自の表現活動をしている作り手が各方面どれだけいるのだろうか? と思う。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝