友人の一言で 志茂田景樹さんが作家を決意した3つの出来事

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■盲腸で入院中に書いた小説がほめられた

 その日はそのままアパートに帰り、夕方からテレビを見ながら飲み始めたら、またシクシクと痛みが再発してきた。女房の肩を借りながら近所の医者に行き、インターホンを押すと「時間外です」と言われて。それで気力もなくなっちゃってその場にしゃがみ込みました。近くの電話ボックスに女房が駆け込んで救急車を呼んで、院長が産婦人科医だという病院に搬送されることになりました。

「これは盲腸です。明日、大学病院の若手の外科のドクターが来るので午前中に手術しましょう」と言われ、とりあえず痛み止めの注射だけしてもらいました。でも、翌日その大学の外科医の先生が現れなかったんです。それで午後になって開腹手術をしたけど、もう手遅れ。腹膜炎を併発していました。後で見たんですけれど、虫垂はもうソーセージみたいになっていました。

 2、3日間、40度以上発熱もあり、注射しても熱が下がらない。後から医師に、「もうあと1日熱が下がらなかったらおしまいでしたよ」なんて言われました。

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