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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

空気読まずキャラ演じるアルコ&ピース平子の貴重なウザさ

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 あまりにとっぴな例えだったため、周りの芸人もツッコめず、流された。すると、平子は事あるごとにしつこく「地球のコア」とボケまくる。言うたびに客は引いていく。司会の宮迫博之が「もう、その例えはやめてくれ」と制したあとも、構わず続けたのだ。

 これに普段は温厚な番組プロデューサーの加地倫三が激怒した。収録が終わり平子が帰ろうとすると、エレベーター前で引き留め、鼻と鼻のつくくらいの距離で「なんであんなこと言うんだい? 普通に笑いを取ることはできないのかい?」などと、20分近く説教され、事実上の番組出演NGになったという(ニッポン放送「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」19年5月29日)。

 平子は当時、一度テレビに出られるようになったものの、そのまま波に乗れず仕事が減ってきていた時期で焦っていた。だから、なんとか結果を残そうと、三四郎・小宮やパンサー・尾形らその頃、同番組でハネていた芸人を模して突拍子もないことをやろうとしたが失敗したのだった(TBSラジオ「アルコ&ピースD.C.GARAGE」19年6月4日)。

 その頃は、まだ地に足がついていなかった「平子り」だったが、「超ハマる!爆笑キャラパレード」(フジテレビ)で、“意識の高い系IT社長”の瀬良明正に扮しブレーク。こうした大きな成果もあげているように、ひとたびハマれば絶大なパワーを持っている。

 空気を読み合い、みんなで一つの方向に進んでいくバラエティー番組が多い中、タモリにすら「うるせえな」と言われるように大振りする平子の存在は貴重だ。そして、いよいよNGが解かれ、平子の「アメトーーク!」への再出演が決まったという。

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