著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

いなくなった昭和型の名将…それでも起こる「甲子園の奇跡」

公開日: 更新日:

 2015年に行幸なったペリリュー島最後の輸送船の船員さん。「戦場にかける橋」の泰緬鉄道建設に携わった兵隊さん。ソ満国境警備隊の狙撃兵。すでに多くの方は鬼籍に入られました。

 皆さん、私の患者さんでしたが、誰一人、多くを語りませんでした。想像を絶するような経験は、言葉などでは到底伝えられないものなのでしょう。ただ、語って伝わるものはなくても、その表情、たたずまいは私に重いものを伝えていました。

 そんな彼らにとって私の心臓外科手術はどうだったのか。やはり死線をさまよう苛烈な関門だったはずですが、おそらく何か強い力ではね返したのでしょう。80歳を越える年配の患者さんは、誰しもあの戦争と戦後の動乱期を生き抜いた方です。「長幼の序」をはるかに超えた畏敬の念を禁じ得ません。

 多くを語らず、と言えば横浜高校の監督だった渡辺元智さんを思い出します。私が大学生だった1982年、本屋で「落ちこぼれの甲子園」(軍司貞則)に出合いました。渡辺元智さんの物語です。あまりの面白さに一日で読み切りました。渡辺さんが20代前半で監督を任されたときの様子が、渡辺監督だけでなく、奥さんや、下宿していた当時の中心選手、松岡信哉さんの生い立ちが語られていました。それらの内容は壮絶でした。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スマスロ『からくりサーカス2』にユーザーから厳しい評価 射幸性高い人気シリーズが直面する「2作目のジンクス」

  2. 2

    安青錦3度目Vはアッパレだが、私の大の里への評価は甘かった。両横綱よ「13勝の壁」を破ってみせよ

  3. 3

    東証で新たな動き…1月~7月までに上場廃止を選択する企業が過去最多のナゼ

  4. 4

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

  5. 5

    真夏の珍事? 共産党が“野党第1党”に大躍進したワケ…潜在読者掘り起こした電子版「赤旗日曜版」

  1. 6

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  2. 7

    中京大中京から享栄へ、大藤監督が明かす“異例の転身”の真相

  3. 8

    巨人ドラ1候補に花巻東・古城大翔が急浮上! 父はG戦士「振り向けば古城」、岡本和真の後釜育成急務

  4. 9

    9月党人事を前に深まる鈴木幹事長とのミゾ…支持率急落の高市政権「裏金軍団復権」の時限爆弾

  5. 10

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ