夏ドラマに恋愛ものが7本も…意外な“仕掛け人”と横並びの弊害

公開日: 更新日:

 オリンピックをはさむため、夏ドラマが早々にスタートした。目立つのは恋愛ものだ。深夜帯も入れれば7本もある。新型コロナ感染でそれでなくても重苦しいご時世なので、悲恋や哀切物語はなし。「彼女はキレイだった」(カンテレ・フジテレビ系)、「プロミス・シンデレラ」(TBS系)など、ほとんどがラブ&コメディーである。

 それにしても、近ごろ、同じクールに同じようなドラマが並びすぎじゃないか。この春は7本に編集者が登場し、冬は「タイムスリップ・入れ替わり」が4本、去年の秋は食べ物系が4本も集中していた。こんなことは、だれかの仕掛けでなければ起こりそうもないが……、実はいるのだ。

「ビッグデータとAIです。ドラマを企画する準備作業として、ビッグデータで人々のいまの志向と行動の情報を収集し、AIで次に求められるものを予測します。同じデータと手法なので、どのテレビ局も結果は同じようなもので、あとはメロドラマにするか、コメディーにするか、シリアスにするかという違いだけ。同じジャンルのドラマがかぶってしまうのは当然でしょう。夏休みなのに、新型コロナで若い人は遊びに出掛けられず、出会いも少なくなってますから、だったら恋愛ドラマだろうと、7月クールにずらりと並んだのは、笑っちゃうほどわかりやすい」(番組制作会社プロデューサー)

 すでに、来年1月クールのフジテレビ系「月9」が、菅田将暉主演の「ミステリと言う勿れ」に決まっているというのは、この冬には異色推理ドラマがウケるというデータと分析が出ているからなのだろうか。となると、他局では金田一耕助のリメーク版なんかが企画されているかもしれない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした