テレビがいまだに続けるコロナ報道の矛盾 2年経ってもその姿勢は変わらない

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 第5波の時、テレビは「医療逼迫(ひっぱく)」と言い続けた。これは誰に向けての言葉だったのか。多くは、そのためにマスクをして用心して生活していたから、「医療逼迫」と言われても「誰に言ってんだ?」と思った人も少なくない。この問題を解決できるのは国とか自治体、医師会。こちらにしてみれば「俺らに言うなよ」。テレビは矛先を間違えていた。

 人流一点張りの分科会の尾身会長が、このところ姿を見せていない。尾身会長はNHKの番組に出演して、「我々の役割は本当のことを正しく言うこと」と語った。

 人流が増えているのに感染者が減って、合わせる顔がないのだろうか。

 厚労省のコロナの責任者のひとりに雑談でこの間の対応について聞いたら、意外にも明快に答えてくれた。尾身会長の言う人流一点張りではなかった。人流は尾身会長周辺の意見だったのだろうか。

 日本人全員に一斉に抗原検査を、と言ったコメンテーターもいた。増やせならわかるが、全員一斉は荒唐無稽。

 ここらでいったんテレビは総括が必要だ。

(文=峯田淳/日刊ゲンダイ

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