ラサール石井
著者のコラム一覧
ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

「三十郎大活劇」くしくも今回の演出作品は混迷の時代とリンクしてしまった

公開日: 更新日:

 なにもそのために企画したわけではないが、演劇には時折このような偶然が起こる。たくまずして芝居が時代とリンクしてしまうのだ。

 演出家として私の信条は舞台上のどの役者にも光を当てることだ。ミュージカル「ファンタスティックス」の中に「小さい役というのはあっても、小さい役者というものはいない」というセリフがある。たとえセリフが少なかろうが、役者には必ずキラリと光る瞬間がある。それは鏡のようなもので、こちらが光を当てなければ光り輝かない。主役だけにライトが当たり続ける芝居は私の本意ではない。いや、全ての役者が光った時、その中でこそ主役が燦然と輝くのである。

 今回も手下の役で出てくれている劇団SETの4人は、歌って踊れてアクションのできる、まことに頼り甲斐のある実力者なのだが、そのうえにスタッフのやるべき小道具の動かしなんかもお願いしている。役者にそれをやらせるのに反対の演出家も大勢いるが、お願いせざるを得ない場面も多々ある。嫌な顔ひとつぜず応じてくれる彼らには頭が下がる。だから他の役者もスタッフも彼らに感謝し敬意を示す。こういう座組になった時、芝居は成功する。

 この素晴らしい役者さんたちに、私は光を当てなくてはならない。まあSETの一人、西海くんは、スキンヘッドなので自らも十分輝いているのだが。

 この芝居はまさに今を描いている。どうか劇場に足をお運びください。なによりも役者さんが皆さんとても魅力的です。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  3. 3
    試合ガタ減り、選手クーデター未遂…“不毛の8年”で晩節汚した青木功JGTO会長ついに退任

    試合ガタ減り、選手クーデター未遂…“不毛の8年”で晩節汚した青木功JGTO会長ついに退任

  4. 4
    岸田自民は補選「全敗」確定情報…島根1区も水面下で“白旗”揚げちゃった? 党幹部すら諦めモードの末期状態

    岸田自民は補選「全敗」確定情報…島根1区も水面下で“白旗”揚げちゃった? 党幹部すら諦めモードの末期状態

  5. 5
    ソフトB山川穂高を直撃「古巣への不義理、SBファンの拒否反応をどう思っていますか?」

    ソフトB山川穂高を直撃「古巣への不義理、SBファンの拒否反応をどう思っていますか?」

  1. 6
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  2. 7
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 8
    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

  4. 9
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  5. 10
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ