追悼“歌舞伎界の異端爺”市川左團次さんの真顔で「どなたさまですか?」にヒヤリ

公開日: 更新日:

「僕の浴衣と同じぐらいラクそうですね」

 取材当時74歳の大ベテランが、自分は「人に教える域にまで達していない」と話す姿に、芸事の奥深さを痛感せずにはいられなかった。

 以降も、お会いするときは必ず「どなたさまですか?」と真顔で尋ねてきた。で、こちらは毎回ヒヤリとするのだが、決まって気さくに話してくださった。記者が着用していたシャツワンピースに興味を示し、「僕の浴衣と同じぐらいラクそうですね」と笑った顔も忘れられない。

 天国でもきっと変わらずお茶目に振る舞われるのだろう。歌舞伎界の異端爺こと市川左團次さん。心より、ご冥福をお祈りいたします。

(文=小川泰加/日刊ゲンダイ

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束