著者のコラム一覧
前田吟俳優

1944年、山口県生まれ。俳優座養成所を卒業。ドラマ「若者たち」、映画「ドレイ工場」「孤島の太陽」などに出演し、「男はつらいよ」シリーズに69年の第1作から最終、2019年の第50作まで全作品に出演。「渡る世間は鬼ばかり」ほかドラマ、映画、舞台からバラエティー番組の司会まで幅広く活躍。

(1)一緒に入った温泉で見た 渥美清の背中の「大きなノの字」の傷痕

公開日: 更新日:

役者を目指した僕の憧れの人

 僕が演じた博さんは寅さんと違ってほとんどロケに出ません。ロケはシリーズ50作の中でも2回しかないかな。その1回が北海道ロケ。渥美さんとお風呂に一緒に入る機会がありました。中標津の温泉でしたね。その時に渥美さんの背中を見て驚きました。

「えっ」。渥美さんの背中に刀傷のような大きな痕があった。背中にグーッと斜めの傷痕が……。大きな「ノ」の字がクッキリと。渥美さんは若い時に結核を病んで肺の手術をしています。これがその時の手術の痕かと思いました。

 渥美さんは共演者と一緒のお風呂に入るなんてことは普段はありません。でも、ずっと一緒に仕事をしている僕には隠すこともないと思ったんでしょうかね。渥美さんは何も言わなかったけど、さりげなく自分をさらけ出して見せてくれたのかもしれません。

 そこで、ハタと思ったわけです。じゃ、最初に会った時の「裸」は何だったのか。僕はうれしさのあまり、僕も渥美さんも裸だと思っちゃったのかもしれない。渥美さんは下着、ランニングとかを着てらっしゃったんでしょうね。

 ◇  ◇  ◇

 前田は初回「男はつらいよ」(69年8月)からシリーズ最終50作「男はつらいよお帰り 寅さん」(2019年12月)まで50年にわたって渥美と共演し続けた。

 ◇  ◇  ◇

 共演する前から渥美さんの大ファンでした。渥美さんの映画はしょっちゅう見ていた。喜劇界のこれはという人は渥美清と決めていました。将来は絶対にこういう人と一緒に仕事をするようになりたいと思いながら。

 そこにいくまで、少し話が長くなりますが、私の生い立ちからお話ししたいと思います。

(構成・文=峯田淳/日刊ゲンダイ

【連載】前田吟「男はつらいよ」を語る

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  1. 6

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意