巨匠・山田洋次監督は、なぜ現在もコメディーにこだわるのか? 92歳で語った夢は

公開日: 更新日:

 そしてこう続けたそうだ。

■「好きな女の子の前で下痢になるのは悲劇じゃないか」

「たしかにおかしなシーンだ。でも君にとっては泣きたいぐらい恥ずかしい。好きな女の子の前で下痢になるのは悲劇じゃないか。君は泣きながら走るんじゃないか」

 時を超えて、語り継がれていくのが名作だ。当時、演技経験ゼロの武田を抜擢したところから、山田監督は練りに練っていたようだ。後日談として、武田は自分をキャスティングしたことについて、監督の当時の心境を聞き出している。同著にこうある。

《短い手紙で返事を下さり、そのあたりの事情には全く触れてありませんでしたが、『元気でやっていますか』と近況を尋ねられ、『撮影の日々が楽しかった』と感慨深げに振り返る文面でした。ただ締め括りの一文に、私の起用について『ぼくは賭けに勝ったね』とありました。嬉しい限りの一言です》

「もうやめてくれ」と言いたくなるほど笑える新作コメディーが楽しみになるのは、映画ファンだけじゃないはずだ。

(編集委員・長昭彦/日刊ゲンダイ

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    麻生太郎が「皇室典範」改正を急ぐ理由は…“日本会議の30年の集い”に間に合わせたいから

  2. 2

    福山雅治も結婚後は苦戦…亀梨和也も正念場を迎えている

  3. 3

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  4. 4

    安青錦は「カラダ」より「アタマ」に課題…2ケタ勝利で大関復帰を果たせるか

  5. 5

    小栗旬は「思い入れがない」コメント…福田雄一監督また炎上でも仕事が減らない映画業界のウラ事情

  1. 6

    要潤、玉山鉄二、速水もこみち…40代イケオジ俳優3人の「人生いろいろ」

  2. 7

    高市首相に“もう1つの爆弾”「副首都法案」炸裂の可能性 会期延長なら疑惑追及&身内疲弊のWパンチ

  3. 8

    二宮和也をNHKが起用で音楽特番MCは元嵐まみれに…テレビ局では“ポスト嵐”探しが迷走中

  4. 9

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  5. 10

    引退した東山紀之に錦織一清演出で「少年隊」還暦コンサートのすすめ