巨匠・山田洋次監督は、なぜ現在もコメディーにこだわるのか? 92歳で語った夢は

公開日: 更新日:

 その山田コメディーの代表作のひとつ、「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)での、武田鉄矢への演出は今も語り継がれている。27歳で映画初出演の武田の役どころは、福岡から出てきたモテない田舎者の青年。刑務所帰りの男(高倉健)が妻の待つ家へと向かう道中を共にする。ひとり旅のところ、ナンパした女(桃井かおり)目当ての青年は、ゆでがにを女に食べさせ、自分でも食べ過ぎて腹を下してしまう。それで「情けなかねえ」とティッシュの箱を抱え、尻を押さえながら北海道の野辺をヨチヨチ走るシーンは爆笑もので、高倉健が演技を忘れて噴き出す姿が映像に残っている。

 だが、撮影中は「違う!」と数え切れないほどの怒声を監督から浴びせられていたのは有名な話だ。武田は昨年発売のエッセー集「向かい風に進む力を借りなさい」でも振り返っているが、こんな演出があったという。

「いいかい、喜劇というのは演じる人が悲劇を演じないと、喜劇にならないんだ。渥美さんはね、寅さんが女性に振られるシーンでいつも涙をためているんだよ。だからお客さんが笑うんだ。きみが笑いながらやってどうするんだ!」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    麻生太郎が「皇室典範」改正を急ぐ理由は…“日本会議の30年の集い”に間に合わせたいから

  2. 2

    福山雅治も結婚後は苦戦…亀梨和也も正念場を迎えている

  3. 3

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  4. 4

    安青錦は「カラダ」より「アタマ」に課題…2ケタ勝利で大関復帰を果たせるか

  5. 5

    小栗旬は「思い入れがない」コメント…福田雄一監督また炎上でも仕事が減らない映画業界のウラ事情

  1. 6

    要潤、玉山鉄二、速水もこみち…40代イケオジ俳優3人の「人生いろいろ」

  2. 7

    高市首相に“もう1つの爆弾”「副首都法案」炸裂の可能性 会期延長なら疑惑追及&身内疲弊のWパンチ

  3. 8

    二宮和也をNHKが起用で音楽特番MCは元嵐まみれに…テレビ局では“ポスト嵐”探しが迷走中

  4. 9

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  5. 10

    引退した東山紀之に錦織一清演出で「少年隊」還暦コンサートのすすめ