著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

イントロ、メロディーそしてボーカル…すべて「TOKIO」よりはじけたニューウェーブ

公開日: 更新日:

シングル「恋のバッド・チューニング」(1980年4月21日発売)②

「うるせえよ!」

 漫才コンビ・錦鯉の向かって右側の渡辺が、左の長谷川をつっこむように、私はこの曲を聴いた後、沢田研二の頭をポンと叩きたくなる。

 さらに付け加える──「キワモノなんだよ、悪趣味なんだよ!」。さらに、さらにこう付け加えるだろう──「てめぇ、かっこよ過ぎじゃねえか」。

 そのかっこよさは、イントロからいきなり、あふれ出す。「TOKIO」の項で、セックス・ピストルズ「アナーキー・イン・ザ・UK」を引き合いに出したが、この曲のイントロは、より「アナーキー・イン・ザ・UK」的である。つまりはニューウェーブであり、正真正銘のパンクということである。

 演奏陣は、編曲も手掛け、相変わらず見事なベースプレーを聴かせる後藤次利を中心に、まずはドラムスとギターに林立夫と鈴木茂というティン・パン・アレーのコンビ。ちなみに、林立夫は後藤次利と青学大付属高の同級生で、軽音楽部の仲間だった。

 もう1人のギターは今剛。この時点では林立夫と共にPARACHUTEのメンバーだ。そしてキーボードには、今井美樹「PIECE OF MY WISH」などの編曲家としても名高い佐藤準。腕利きの集まったセッションだ。

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