勘九郎・七之助がアウェイの明治座で躍動!歌舞伎らしい演目並べ正攻法でお客を圧倒

公開日: 更新日:

 11月の歌舞伎座は例年なら「顔見世」で大幹部が揃うはずだが、今年は舞台機構設備の工事のため、「ようこそ歌舞伎座へ」という、インバウンドの外国人を含めた、歌舞伎初心者向きの特別公演。歌舞伎座の舞台機構を紹介する映像を中心にした案内と、尾上左近・中村歌昇・坂東亀蔵の『三人吉三巴白浪/大川端庚申塚の場』と、尾上松緑と4人の若手の『石橋』。

 観客は入っていたし、松竹の狙い通り、外国人も多かったが、歌舞伎を見たことのない人が、「面白かった。また行こう」と思うかどうかは疑問。歌舞伎の凄さを感じさせるものがないのだ。外国人を含む歌舞伎初心者には、濃厚なドラマのある演目のほうがわかりやすいし、歌舞伎の魅力が伝わると思うのだが。

 今月は明治座でも歌舞伎公演があり、中村勘九郎・七之助兄弟が座頭。若手を大役に起用している。

 歌舞伎ファンではない、「明治座のお客様」という、この固有の観客も多い劇場だが、勘九郎・七之助は歌舞伎らしい演目を並べ、正攻法で臨んだ。その結果、歌舞伎をあまり見ない「明治座のお客様」までをも、歌舞伎の力で圧倒させていた。終演後、お客さんたちは興奮して語り、エスカレーターは賑やかだった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い