著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

窪田正孝「宙わたる教室」は2024年後半の収穫と言える一本!

公開日: 更新日:

 先週、ドラマ10「宙わたる教室」(NHK)が完結した。

 舞台は新宿にある夜間定時制高校。年齢も経歴もさまざまな生徒たちが学んでいる。そこに赴任してきたのが理科教師の藤竹(窪田正孝)だ。

 藤竹は部活としての「科学部」の立ち上げを呼びかける。参加したのは読み書きが苦手な岳人(小林虎之介)、40代女性のアンジェラ(ガウ)、保健室登校の佳純(伊東蒼)。そして、中卒で集団就職した70代の長嶺(イッセー尾形)だ。

 物語のタテ軸は、火星の重力下でクレーターを再現する実験。ヨコ軸はそれぞれに抱える葛藤と向き合う生徒たちだ。実験の試行錯誤と並行して、岳人と不良仲間の関係や、長嶺の自分に対する怒りなどが描かれていく。

 藤竹は一方的に指導したりしない。学びながら自分を変えていこうとする彼らを見つめ続ける。教室は彼らが自分自身で「あきらめていたものを取り戻す場所」だからだ。

 また思うようにいかない実験も、失敗などあり得ない。なぜなら、「誰もやったことがないこと」を試みているからだ。

 大団円は学会での発表だった。岳人は「1年前には想像できなかった場所に立っている」と目を輝かせ、藤竹は「どんな人間にも必ず可能性はあります」と断言する。

 原作は伊与原新の同名小説。脚本は澤井香織。今年後半の収穫と言える一本になった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自転車の「ハンドサイン」が片手運転ではとSNSで物議…4月1日適用「青切符」では反則金5000円

  2. 2

    九州国際大付野球部で暴力事件 楠城監督が日刊ゲンダイに明かした「不祥事」への言い分

  3. 3

    渋野日向子が米ツアー「出場かなわず」都落ちも…国内ツアーもまったく期待できない残念データ

  4. 4

    世界陸上マラソンで金メダル谷口浩美さんは年金もらい、炊事洗濯の私生活。通学路の旗振り当番も日課に

  5. 5

    日本ハム伊藤大海が受けた甚大被害 WBC「本当の戦犯」は侍ジャパンのベンチだった!

  1. 6

    高利回りの「個人向け社債」に注目 短期の募集で早い者勝ち

  2. 7

    WBC惨敗は必然だった!井端監督の傲慢姿勢が招いたブルペン崩壊【総集編】

  3. 8

    高市首相が自衛隊派遣めぐり安倍側近と壮絶バトル→「クビ切り宣言」の恐るべき暴走ぶり “粛清連発”も画策か

  4. 9

    政権内で孤立する“裸の高市首相” 「ストレス高じて心因性疾患」を危ぶむ声

  5. 10

    駐車トラブルの柏原崇 畑野浩子と離婚