2025年7月「大災難」は結局、起こらず…「ノストラダムスの大予言」の五島勉は1999年の後、何を語っていたか?
恐怖の大王も、日本の敗北も、解釈によってはどうにでも読める。ノストラダムスの大予言は、言い換えれば五島勉の大予言でもあった。
五島勉の主旋律は、戦争と環境破壊という危機への警告だった。
■「責任を取りたい」
結果として1999年7月は何も起こらなかった。
「本を読んでいまでも心を痛めている人がいたら、謝りたい。どうしてくれるという人がいれば、責任をとりたい」(朝日新聞1999年7月1日付)
「責任を取るというのはきちんと説明したいということです。第一巻の巻末にも書きましたが、人間の強い意志や知恵が予言を覆せるのです」(週刊朝日1999年9月3日号)
予言が外れたことに対して、本人なりの弁明をしていた。
累計210万部という驚異的大部数を売り上げた割には、世間からの批判は少なかった印象がある。
晩年はエコロジスト、反戦という立場で時折、メディアに登場した。
電話口に出た業界の先達は、腰の低い大人だった。