最新回の朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所~吉沢亮、“国宝”俳優の本領発揮。錦織の“一瞬で見せる表情”が素晴らしかった

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コクハク

第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」#55

【朝ドラのツボ!】

 リヨ(北香那)の恋が終わった。翌朝、出勤するトキ(髙石あかり)の前にリヨが今までの応援のお礼に現れる。お礼のついでに発したリヨの一言に、トキは動揺する。

 一方、ヘブン(トミー・バストウ)を迎えに来た錦織(吉沢亮)の様子がどこかぎこちない。ヘブンにある質問をした錦織は、その翌朝迎えに現れなかった。

【こちらもどうぞ】「ばけばけ」」“ただの通りすがり”に落胆したのは錦織(吉沢亮)の方? 複雑な胸の内は

【本日のツボ】

拗らせ錦織
 ※※以下、ネタバレあります※※

 おトキに、ヘブンとお嬢様がうまくいったかどうかを訊き出したい松野家の3人。司之介(岡部たかし)が口火をきり、ダメになったと聞いてがっかりします。「無くなったか~頼みの綱だったのにのう~」と嘆く司之介、「綱だったわねえ~」とおフミ(池脇千鶴)も。

 ひとり勘右衛門(小日向文世)だけ、「そげか~、わしの同志が~」と思いは別のところにあるようで…。

 それにしても、「まったく~。何を呑気に破局しとるんじゃ…人の気も知らんと」と自分たちのことで頭がいっぱいの司之介。

「ひどい」とおトキに責められても「そうじゃろう。わしらの行く末が懸かっちょるいうのに…」と。身勝手にもほどがありますが、それもまた人間らしいというか、司之介らしいというか。

 家を出たところで、おリヨと鉢合わせ。おリヨはおトキにこれまでの感謝を伝え、最後におトキに「大変よ…。先生を射止めるのは」と耳打ち。「それじゃあ。グッバ~イ」と微笑んで爽やかに退場していきました。敵ながら(?)あっぱれなおリヨに幸あれ。

 ヘブンとおトキ、そしておウメの金縛りコントも最高でした。おトキが「ええなあ~」とヘブンの金縛りを羨むところも含めて。

「国宝」俳優の本領発揮

 見事に吹っ切れたおリヨとは対照的に、じとっと湿度の高い錦織。どうやらヘブンの「通りすがり」が引っかかっているようです。

 意を決したように「あなたにとって私はどういう存在なのでしょうか?」とヘブンに訊ねました。「モチロン、スバラシ…ツウヤク」「スバラシ…オセワガカリ」「イツモタスカル アリガトゴザイマス」。ヘブンの答えに錦織の表情が徐々に変化していきます。

 そして、「わかりました。ありがとうございます」と。錦織はヘブンに友情のようなものを感じていたのでしょう。それはヘブンも同じと思っていたのにそうではなかった。錦織の失望を横顔だけで表現して見せた吉沢亮。まさに「国宝」俳優の本領発揮といったところです。

 そんなヘブンは、金縛りで錦織の幽霊を見た、とおトキに訴えました。

「ユウレイ ニシコリサン ベリーベリーアングリー」。ヘブンへの想いをこじらせた錦織が生霊になってあらわれた…としたら、ゾワリ。

 翌日、錦織は迎えに来ませんでした。ヘブンが授業で、自分の想いを語るのもすっかりおなじみになりました。

「わからない。いったいどういうことだろう。なぜ彼は迎えにこないのか。合っても態度がよそよそしい。いつもはそこでみてるのに。そこにもいない」。

 ヘブンと錦織の関係、ヘブンとおトキの関係がどう変化していくのか。来週は怪談も出てきて物語が大きく動く予感。ますます楽しみです。

(桧山珠美/TVコラムニスト)

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