シスターフッド書店Kanin(京都・北白川)共に二足の草鞋を履く店主2人は小学校の同級生

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 京都・北白川通りに面したビンテージマンションの1階にある。「シスターフッド」とは、女性同士の絆や連帯、「Kanin」はデンマーク語で「うさぎ」のこと。卯年生まれの女性2人が運営しているとの情報を得てやってきて、ドアを開ける。

 そこは白壁とコルクのボードに囲まれた10坪ほどの静謐な空間。「全部推し本だろうな」と思うに十分な、フェミニズムとその周辺分野の約600冊がゆったりと並んでいた。

 表紙が見える形で置かれ、まず目が行ったのは「分断されないフェミニズム」「FINE 聞いてみたら想像以上に人それぞれだったジェンダーとかの話」「キルギスの誘拐結婚」。続いて、私世代にはバイブルだった「おんなたちの運動史」「おんなの戦後史」。

フェミニズムと周辺分野の600冊は「きっと全部推し本」

「少し偏った書店です、という言葉を掲げてオープンして3年目です」と、店主の井元綾さん。

 名刺に公認心理師との肩書も。もうひとりの店主・京極祥江さんはライター・編集者。共に二足の草鞋を履いていることを「ライフワークとライスワーク」とおっしゃる。

「大分の小学校の同級生同士なんです。2人とも源氏物語の漫画にハマったという変な(笑)。長く、つかず離れずでしたが、京都で再会して」

 井元さんは神戸やイタリア、京極さんは東京やデンマークなどに住み、共に国際結婚と離婚も経験したって、すごっ。いわく「流れ着いた」京都で杯を交わし、「いつか本屋をやってみたいね」の話に。貯金を持ち寄り、「まさか」が実現したって、ますますすごい。選書をフェミニズム本関係にしたのは?

「女だから大変、ということがいっぱいあったので」

 なるほど。ということは、世には「男だから大変、ということ」もあるだろうなと頭をめぐらせたのは、棚に「学校の『男性性』を問う」を目にしたのと、男性客もいたからだが、ちょうどそのときだ。井元さんが「今ね、この本推してます」と2冊を本棚から取ってきてくれたのは、「男尊女卑依存症社会」と「あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない」。あ、わかった。男性優位の社会は、誰にとっても弊害がある、ということ。お見通しだ。

 店内にカフェスペースもあり、ビールもワインもコーヒーもデンマーク風サンドイッチも楽しめる。

◆京都市左京区北白川堂ノ前町1 デュ北白川105/京都市バス北白川別当町・北白川校前停留所から徒歩2分/正午~午後5時(水曜4時半まで、土日祝日6時まで)、火曜休

私たちが作ったZINE

「女ひとりで、生きる」シスターフッド書店

 シスターフッド書店KaninのSNS上で公募。応募者17人(プラス井元さん、京極さん)のエッセーが編まれている。「離婚して3年。息子はもうすぐ小学生になる」と自己紹介する人、「集団の中での孤独は、一人でいる時の孤独よりも苦しい」とつづる人、大家さんに「女性の一人暮らしには貸せない」と言われたと書く人。女性らの本音を知るとともに、「誰もが生きやすい世の中とは」と考えさせられる。

(Kanin編・発行 1100円)

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