長期金利「急騰」に中小企業から悲鳴…重荷の人件費増に加え、借金コスト増の“二重苦”に
長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが高止まりしている。9日の債券市場では1.960%だった。約19年ぶりに節目の2%が迫りつつある。
「やや速いスピードで上昇している」──。9日の衆院予算委で日銀の植田総裁は足元の長期金利の動きに関し、こう指摘。「急激に上昇するなど例外的な状況においては、機動的に国債買い入れの増額などを実施する」と続けた。
高市首相が自民党総裁に就任する直前、長期金利は1.660%だったが、就任後から急騰。約2カ月で0.3%も上昇した。
「急上昇の根底にあるのはインフレ懸念です。インフレ率3%の環境が3年以上も続き、これに引きずられる形で金利も上がっているのです。市場はインフレで目減りする分を金利で補いたいわけですが、金利は実態のインフレ率に全然追いついていない。目減りするだけの国債を誰が買うでしょうか。加えて、高市政権による放漫財政への懸念も金利上昇を後押ししています。インフレ懸念と財政不安が要因になっている点では、政策的・人為的な金利上昇と言えるでしょう。政府・日銀が早めにインフレに対処していれば、金利がこうも急激に変化することはなかったのではないか」(経済評論家・斎藤満氏)


















