著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

角膜移植(2)手術を受ければ本当に視力を取り戻せる?

公開日: 更新日:

 日本での角膜移植手術の年間件数は1500~2000件ほどといわれていますが、角膜移植を待つ患者さんはもっとたくさんいらっしゃいます。しかし、日本では角膜のドナー登録者はたくさんいらっしゃるものの、亡くなったときにその意思が反映されないことが多くあるようで……移植手術を待つ人の列が長くなっているのが現状です。

 角膜手術が必要な目の病気にはどんなものがあるのか。ひとつはこの連載でもお話しした「円錐角膜」という病気です。角膜(黒目)の中心部分がとがって薄くなり、進行するとデスメ膜という膜が断裂して角膜の中央部が白く濁ってしまい、失明します。濁った角膜は透明に戻ることはないので、治療は角膜移植手術となるのです。

 角膜移植の対象として、もっとも多いのは「水疱性角膜症」です。角膜には血管がないので、本来は透明なのですが、なんらかの原因で角膜内皮細胞の機能が低下することがあります。そうなると角膜の中に水がたまり、角膜が白く濁り、むくんでしまいます。

 角膜内皮細胞は、角膜の一番内側にある細胞で、加齢により減少します。生涯にわたり増えることはなく、再生することもありません。角膜が白濁するので視力低下につながりますし、水疱がつぶれると目に強い痛みや異物感を覚えます。また、光をとてもまぶしく感じたり、視界もかすんでしまいます。

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